「支援員向けの研修会」はどんなことをしているの?~広域事業編~

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就労支援事業部のカツです。9月に入り涼しくなってきました。ただ昼は暑く、体調管理が大変ですよね。寒いときは灰色のカーディガンを羽織るのですが「おじいちゃんみたい」と言われます。
「虚弱体質なので身なりにあっててイイやん」と思うのですが…この話、ブログのテーマにあってないですね!

今回は「大阪府生活困窮者等広域就労支援事業」(以下:広域事業)のイベント企画から、支援員向けの「研修会の実施」をご紹介します。
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「研修会」は広域事業に参画している自治体(団体)向けに実施しています。コロナ前は全団体を集めて実施していましたが、コロナ禍では各団体やエリア別でコロナ対策をしっかりし開催しています。

以下、令和4年度(4月~9月現在)の研修内容です。
① 「一般職業適性検査(GATB)」の内容、体験、結果の見方、フィードバック方法
② 自治体が運営する「無料職業紹介」の仕組み、運営方法、メリット
③ 協力事業所を招いて「事業所視点から見た就労支援の課題は?」

今回は③の「事業所視点から見た就労支援の課題は?」をピックアップします。

開催日は9月27日(火)で、場所は富田林子ども家庭センターが入っている南河内府民センターで開催。
参加団体は、富田林子ども家庭センター、はーとほっと相談室(大阪府社会福祉協議会)、河内長野市、羽曳野市、羽曳野市社会福祉協議会、藤井寺市、富田林市、あしたねっと富田林(富田林社会福祉協議会)の職員や支援員のみなさまです。
南河内エリアは、近鉄沿線に自治体が集約され、合同で実施しやすいのが利点。本当は他のエリア(北摂、泉州)でも実施したいのですが、自治体が離れているので難点です。

南河内エリアでは、コロナ前(3年前)に「なにわ流就活(合同事業所説明会)」を実施し好評を得ました。しかしその後、コロナが猛威をふるい合同イベントを企画するも中止…。虎視眈々と開催のタイミングを狙っていたら、やっとチャンスが訪れました。
Zoom開催でも良いのですが、個人的に雰囲気が伝わりにくいのと質問や本音が出にくいため「交流イベント」は対面が良いです。

少し話しはそれますが、イベントを成功させるには開催場所(団体)の協力と徹底した準備が必要です。
3年前の「なにわ流就活」、今回の「支援員向け研修会」では富田林子ども家庭センター様に多大なご協力をいただきました。具体的には、主旨や目的の共有、会場手配・準備、開会のあいさつなどです。本当にいつもお世話になっており、この場をお借りして感謝御礼を申し上げます。

講師は、農産園芸福祉事業所の担当者様、製造・B型事業所を運営する中小企業の社長様をお招きしました。
研修目的は「事業所視点での就労支援の課題」と「交流」です。
福祉職の方は見学や体験を受け入れてくださる事業所の事情や立場を知る機会はほとんどありません。

そこで前半は「講話」、後半は「交流シンポジウム」にしました。
「講話」では事業所の立ちあげや紹介、過去の訓練の受け入れ課題や失敗経験、就労支援の想いを本音で語っていただきました。ここでミソなのが「本音」です。「ぶっちゃけてください」と弊社からお願いしました。

一般的な研修では「成功」を話してもらうことが多いですよね?
成功は話しやすい。逆に失敗は恥ずかしい。
でも失敗があるから成功があると思うのです。人の心に残るのはあきらかに「失敗」です。
テレビ番組の「しくじり先生」や芸能人やスポーツ選手の苦労話って心に響きませんか?

「あのときすべてを失った」
「モヤシを食べて生活していた」
「大ケガをして選手生命を絶たれた」

当研修の講師からでた本音は「過去に訓練生を受け入れたが支援団体に中身と目的がなかった」
私も過去に他事業でやったことがあるのですが、訓練生を一方的に事業所に送りこみ、
訓練の間は連絡せず、手間と時間がどれだけかかるのかを考えもせず「訓練の実績」だけを残しました。簡単にいうと「お願いして終わり」です。
もちろん事業所との関係は最悪になり、次からは断られました。
この失敗経験があったからこそ「相手の立場を考える」ようになり、今に至ります。

営利企業(とくに中小企業)は、社会貢献よりも、利益をだして社員を養い、会社を存続させることが大事です。人をひとり受け入れるには相当な時間と労力が必要です。
訓練の「目的(効果)」を三者(事業所、訓練生、支援団体)で共有することは絶対に必要だと語ってくださいました。そして何事も「目的」だと。
後半の「交流シンポジウム」では、参加者全員に自己紹介と講師への質問、支援での苦労や悩み、本日の感想をお願いしました。
講師同士の質問も飛びかい、支援員同士の悩みも共有でき、「広域」の名のとおり、すばらしい研修会になりました。

私たち広域事業チームは参画されている自治体(団体)のみなさまが喜んでくださるのが一番うれしいです。
支援現場では職員や支援員のみなさまがギリギリのところで踏ん張ってくださっています。
支援員のみなさまを支えるのが我々の仕事。
これからも役に立つ、喜んでいただけるイベントを企画します!


【令和4年度(2022年)大阪府生活困窮者等広域就労支援事業 参画自治体】
北摂エリア
大阪府池田子ども家庭センター(管轄:能勢町・豊能町)、池田市、摂津市、島本町 

南河内エリア
大阪府富田林子ども家庭センター(管轄:太子町・河南町・千早赤阪村)、河内長野市、羽曳野市、藤井寺市、富田林市

泉州エリア
大阪府岸和田子ども家庭センター(管轄:忠岡町・熊取町・田尻町・岬町)、泉佐野市、泉大津市、高石市、阪南市
(掲載順:エリア別参加年度)

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