「事業所見学」はミスマッチを防ぐ【最大】の就労準備メニュー~広域事業編~

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就労支援事業部のカツです。いやぁ暑いですね。みなさん熱中症にはお気をつけください。
今回は「大阪府生活困窮者等広域就労支援事業」の就労準備メニュー「事業所見学」をご紹介します。


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 みなさんは就職で以下のような経験はありませんでしょうか? 

「入社したあとに作業や環境、条件が求人票や面接で聞いていたのと違いすぐに辞めた…」

じつは私も初めて入社した事業所は4カ月で退職。退職理由は工場研修(環境)が体に合わず、食品工場で様々な粉が飛んでおり、ぜんそくとアレルギーが悪化して退職となりました。

大学時代は就職氷河期もあり、就職活動を積極的にせず「採用されたらどこでもいいや」と事前に調べず飛び込んで失敗しました。当時を振り返ると「応募や面接前に企業の環境や作業を見れたらよかった」と思います。
「事業所見学」の良いところは、応募前に「環境、作業、条件」などを「見て、聞いて、感じる」ことができることです。

では、例を見てみましょう。
みなさんも自分のことだと思って考えてみてください。

あなたは製造系の仕事を希望していますが、腰が悪くて、重い物をどれぐらい持てるのかわからない。
他業種を希望するには経験がなく、年齢も上のほうです。

面接で正直に「腰が悪い」と言えば落とされそう。言わないと入社後に腰が悪化して辞めてしまうかもしれない。「作業は具体的にどんな感じなのだろう?」と不安で応募しようかどうか悩んでしまいますよね。

じつは「事業所見学」は以上の悩みがすべて解決します。
大阪府広域事業では、雇用のミスマッチを防ぐために参画自治体(※記事の最後参照)に2つの見学をご用意しています。
   ① 支援員向け
   ② 支援対象者向け(求職者向け)

まず「支援員向け」ですが、自治体の支援員さんが事業所見学することで、相談中の求職者の方に、この事業所は「合っているか? 合っていないか?」を判断できます。

これが、ものすごく、ものすごーく、大事です!

例えば先ほどの「腰が悪い方」を頭に入れて、製造系の工場を見学したとします。
工場で扱うものが20kg、手作業で持ち上げている。担当さんに質問してみると…

1日のなかで、座り仕事はなく、重い物をもつ機会は結構あります。求める人材は健康と体力が第一です。他の仕事を切り分けるのはシステム化しているので難しいですね

とおっしゃられました。いかがでしょう?

私が支援員なら、先ほどの「腰が悪い方」は紹介しません。
紹介してもお互い(求職者と事業所)の不幸しか見えませんし、時間がもったいない。
というわけで支援員さんが見学することで、ミスマッチを防ぐことができるのが「支援員向け事業所見学」です。やはり「百閒は一見に如かず」ですね。

つぎに支援員さんが見学して「この事業所が合いそうだ」と判断すれば、上記図(就労準備メニュー)の「事業所紹介」を実施します。
事業所紹介は、弊館で取材作成した「事業所紹介シート」「しごと体験等プログラムシート」を求職者の方に支援員さんがお見せし「見学前に事業所概要や作業、環境等のイメージを持っていただく」のが目的です。

事業所紹介シート(Aダッシュ).png
もちろん、この段階で求職者の方が見学を断っていただいても構いません。ただシートを見せて支援員さんのお話を聞くと、ほとんどの方が見学に行かれます。
そして、ご自身で事業所を見学して「見て、聞いて、感じる」ことで、ミスマッチはさらに減ります。支援員さんも求職者の方のすべてを把握しているわけではないので、最後はご自身で見学して判断するのが良いと思います。もちろん、見学して「合わないなぁ」と思ったら、次の段階(就労体験or面接)をお断りしても構いません。

いかがでしたでしょうか?
大阪府広域事業は、「事業所見学」で2段階(支援員向け・支援対象者向け)、「事業所紹介」で1段階の合計「3段階」でミスマッチを防ぐ就労準備メニューをご用意しています。
時間はかかるかもしれませんが、段階を踏まないと、雇用後に早期離職する可能性が高くなり、求職者と事業所のどちらにも深いダーメジが残ります。さらに自治体と事業所の信頼関係は失われ、就労支援は振りだしに戻ります。いわば「急がば回れ」ですね。

よって事業所見学は「見て、聞いて、感じる」 雇用のミスマッチを防ぐ【最大】の就労準備メニューです。

【令和4年度(2022年)大阪府生活困窮者等広域就労支援事業 参画自治体】
北摂エリア  大阪府池田子ども家庭センター(管轄:能勢町・豊能町)、池田市、摂津市、島本町 
南河内エリア 大阪府富田林子ども家庭センター(管轄:太子町・河南町・千早赤阪村)、河内長野市、羽曳野市、富田林市、藤井寺市
泉州エリア 大阪府岸和田子ども家庭センター(管轄:忠岡町・熊取町・田尻町・岬町)、泉佐野市、泉大津市、高石市、阪南市
(掲載順:エリア別参加年度)

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